小学5年生の衝撃
先週、某大手芸能プロダクションのオーディションを関係者として観覧する機会がありました。
対象は幼児から中学生までで、全国の予選を勝ち上がってきた13名の歌手が、2分間で自分の歌を大勢の観客の前で披露し、プロの審査員の評価を受けるものです。
出場した子供達は全国から選抜されているだけあって、全員素晴らしい歌唱力で、私は思わず涙が滲むほどでした。
審査結果が出るまでの休憩時間に出場者3名と一緒に過ごしました。
その時に小学5年生の男子出場者と会話しました。
「素晴らしい歌をありがとうございました。とっても上手でした」
と私は発言しました。
するとその小学5年生の男子は、何の躊躇もなく私の予想外の驚くべきシンプルな発言をしました。
その衝撃の発言とは、、、
「知ってます」です。
それも淡々と。
小学生を褒めてあげると、多くの場合照れながらこういうでしょう。
「ありがとうございます」
「嬉しいです」
「いえいえ、まだまだです」などです。
しかし、この小学5年生は違いました。
淡々と「知ってます」と言いました。
つまり「私は歌うまいです。それは知ってますよ」と言ってる訳です。
彼はなぜ「知ってます」と返したのでしょうか。
それは自分の基準を高く維持するためです。
自分が満足していないパフォーマンスの時に、誰かに褒められる場面もあります。
その時に「頑張りました」「嬉しいです」と言うと、それは「自分の基準を下げる」と脳に指令しているようなものなのです。
また「いえいえ、まだまだです」と言うとそれは相手がくれたプラスのエネルギーを拒否することになります。
なので自分の基準を高く維持しつつ、相手からプラスのエネルギーをもらうには「知ってます」がベストなのです。
この基準は心理学用語で言うと「コンフォートゾーン」です。
私は噛み砕いて「あり方」と呼んでいます。
人の脳は必ず自分の「コンフォートゾーン」に戻ろうとします。
例えば平熱を思い出してください。
人の平熱は多少違いますが、だいたい36度です。
熱がでたり、寒いところ暑いところにいても、激しく運動しても、体温は必ず36度の平熱に戻ってきます。
これは脳が勝手にコントロールしてくれます。
これが体温におけるコンフォートゾーンです。
だとするならば、もし脳が当たり前だと認識している基準を高くできれば、人のパフォーマンスを上げることができます。
その基準を上げる方法は、日常で使う「言葉」です。
私は企業や個人に対して「言葉」を変えてコンフォートゾーンを上げる仕事をしているので、これ自体は珍しくないです。
ただそれを小学5年生が躊躇なく使っていたことが衝撃でした。
おそらくこの小学生はコンフォートゾーンを高く維持する言語トレーニングを受けているのでしょう。
言語トレーニングを受けているか受けていないか、知っているか知らないかの違いは、人の人生に大きな違いをもたらします。
自分の理想の人生を手にいれる上で、自分はどんな言葉遣いをしているだろうか?と振り返ってみてください。
新たな伸びしろが見つかるかもしれません。
次回オープンセッション:11月28日(月)18時半〜 @都内