「日本の国是とは何か?」
こんにちは!ピカソです。
さて、今日は「日本の国是とは何か?」というテーマで話します。
そもそも国是という言葉自体を日常で聞く機会がありません。
国是に似ている言葉としては、社是がありますので、そこから紐解いていきましょう。
「是」という言葉には、「正しい」という意味があります。
つまり「会社にとって正しい道」を示したものが「社是」で、「国にとって正しい道」を示したものが「国是」です。
会社によっては、社是でなくVisionとかMissionとか理念と表現する場合もありますね。
例えば、ソニーは「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由豁達にして愉快なる理想工場の建設」でしょう(一部抜粋)。
パナソニックは「産業人たるの本分に徹し社会生活の改善と向上を図り世界文化の進展に寄与せんことを期す」とあります(一部抜粋)。
その会社を設立した目的や方向性とも言えますね。
では、次に国是について、深掘りしてみましょう。
国是って憲法のこと?と思う人もいるかもしれません。
国是は憲法とは異なります。
憲法以前にある国の方向性です。国の標語と表現されている場合もあります。
いくつか具体的な国是を見てみましょう。
<国是>
フランス:「自由、平等、友愛」 一説によると三色旗は国是を表しているそうです。
大韓民国:「弘益人間(広く人間世界に益をもたらす)」
イギリス :「Dieu et mon droit(神と我が権利)」
イギリスなのにフランス語の標語とは面白いですね。
その理由は別途深掘ります。
スペイン :「Plus Ultra(更なる前進)」
ポルトガル :なし
ウクライナ :「自由、調和、善良」
ドイツ :「統一と正義と自由」
イタリア :なし
タイ :「国家、宗教、国王」
ケニア :「共に働こう」
サウジアラビア:「アッラーの他に神はなし、ムハンマドはアッラーの使徒なり」
フィンランド :なし
ノルウェー :不明
スウェーデン :「スウェーデンのために、時代と共に」
アメリカ合衆国:「多数から一つへ」「我らは神を信ずる」「神は我らの企てに与し給えり」「時代の新秩序」
中華人民共和国:「人民に奉仕する」
ベトナム :「独立・自由・幸福」
フィリピン :「神、国民、自然、国への愛情のために」
などなど国の歴史文化を反映した国是(標語)がありますね。
では、日本の国是とは何でしょうか?
Wikipediaで調べてみると「特になし」とあります。
そう、日本には国是がないのです。
それには歴史的な経緯があります。
第二次大戦で日本が敗戦し、米国の統治下にあったからです。
その間に憲法が制定されました。
その憲法はどんな国是に基づいて制定されたのか?というとそれがないのです。
では明治憲法はどうか?
明治憲法の前に国是があります。
それは、「五箇条の御誓文」です。
続く。